- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
趣向の異なる3本の短編作品について。
『二度と一緒にさまよわない』は、トルコ旅行中にトラブルに見舞われるウクライナの青年のお話。ウクライナということでタイミング的に注目度は高かったのではないでしょうか。土曜日と水曜日の2回上映で、土曜日のオンラインチケット分はすぐに完売したと聞いています。舞台がトルコだから「アジアン映画祭」のカテゴリーに入ったのかな。
典型的な「巻き込まれ系」ストーリーで、トルコからウクライナに戻る飛行機に乗り遅れた主人公(27歳)が、空港で偶然出会った少女と1日を過ごすことになります。後から判明するのですが、この少女が未成年(自称15歳)なので、IMDbの分類で"Romance"となっていたのを見てオイオイ…と思いました。15歳とわかっているのに夜のクラブに置き去りにするのも酷い。どこがロマンスやねん。
15歳の少女について、作品の紹介文では「エキセントリックな」と書かれていますが、旅先という非日常の環境で、自身もトラブルに見舞われながら、「見た目は可愛い(美しい)が突飛な行動をする女性に振り回されつつ、なぜか惹かれていく」という設定は、監督の願望なのか。わたし自身はあまり惹かれないけれど。
夜のクラブで2人が会話をしているところに「懐かしい言葉が聞こえてくる」とロシアの男性に話しかけられる場面があって、ということは劇中の会話はずっとロシア語だったのかしら?「スパシーバ」ってところどころで言っていたような気もしますが、記憶が曖昧。
IMDbによると撮影はトルコのアンタルヤで行われたそうですが、トルコ全体で3割近くを占めるというロシア、ウクライナからの観光客に特に人気なのがアンタルヤだとか。
トルコ、ロシア・ウクライナ仲介 存在感誇示の思惑(日本経済新聞、2022年3月10日)
手持ちカメラで画面が揺れるため短編とは言え見ていて疲れましたが、ウクライナの映画を次に見ることができるのはいつだろう、とも思いました。
『二度と一緒にさまよわない』
We'll Never Get Lost Together Again(My bol’she nikogda ne zabludimsia vmeste)
2020年/トルコ・ロシア・ウクライナ
監督:Eugene KOSHIN
予告編はこちら
『Out of TOKYO 202x』は、コロナ禍で延期になった東京五輪開幕の日に、それぞれに未来からやってきたという男女が東京のまちで出会うという日本の短編映画です。わたし自身は緊急事態宣言下での五輪開催には否定的な考えを持っていたため、当時の東京や会場周辺の空気感(それは映画として切り取られたものですが)を、やや複雑な気持ちで眺めました。
『Out of TOKYO 202x』
2022年/日本
監督:幾世明訓
予告編はこちら
監督のメッセージ動画はこちら
『凪』は、香港の女性と日本の男性が台湾の高雄で出会い、恋人同士として過ごしているのですが、ある理由から女性が香港に戻らざるをえなくなり、2人の関係は終わりを迎えるというお話です。高雄で起きた美麗島事件(1979年に起きた言論弾圧事件、その後、台湾の民主化運動につながった)から、この間の香港の民主化デモへのつながりもあって、3つの短編野中では作り手の意図が最も明確にわかる(気がしました)。恋人たちの別れで終わるけれど、悲しく暗いだけのストーリーではない。
ただ、この恋人同士の男のほう(日本から台湾に来て暮らしている男)の設定が、どうしてもダメだった。居酒屋(高雄にある、日本風居酒屋)でアルバイトをする自分の恋人が男性客からセクハラされたのを目撃し、その場では何もしないくせに、後から恋人に八つ当たりするという…。信じられん。彼のやっていることもハラスメントです。
香港に戻る恋人にあてた手紙もなぁ…デモに参加して逮捕される経験なんてないくせに、どこから目線で「人生」を説くのか!と憤ってしまった。
この2人の会話はずっと日本語で交わされるのですが、女性のほうがだいぶ聞き取りづらかった。むしろ字幕で見る人のほうが違和感ないかもしれません。2021年の高雄映画祭(高雄電影節)でワールドプレミアだったようです。
『凪』
Plain Sailing
2021年/台湾・香港
監督:Sasha CHUK(祝紫嫣)
予告編はこちら
高雄電影節での紹介ページ(英語)はこちら
こうやって振り返ると、3本とも、特別な状況下で出会う男女の物語ですね。
『二度と一緒にさまよわない』は、トルコ旅行中にトラブルに見舞われるウクライナの青年のお話。ウクライナということでタイミング的に注目度は高かったのではないでしょうか。土曜日と水曜日の2回上映で、土曜日のオンラインチケット分はすぐに完売したと聞いています。舞台がトルコだから「アジアン映画祭」のカテゴリーに入ったのかな。
典型的な「巻き込まれ系」ストーリーで、トルコからウクライナに戻る飛行機に乗り遅れた主人公(27歳)が、空港で偶然出会った少女と1日を過ごすことになります。後から判明するのですが、この少女が未成年(自称15歳)なので、IMDbの分類で"Romance"となっていたのを見てオイオイ…と思いました。15歳とわかっているのに夜のクラブに置き去りにするのも酷い。どこがロマンスやねん。
15歳の少女について、作品の紹介文では「エキセントリックな」と書かれていますが、旅先という非日常の環境で、自身もトラブルに見舞われながら、「見た目は可愛い(美しい)が突飛な行動をする女性に振り回されつつ、なぜか惹かれていく」という設定は、監督の願望なのか。わたし自身はあまり惹かれないけれど。
夜のクラブで2人が会話をしているところに「懐かしい言葉が聞こえてくる」とロシアの男性に話しかけられる場面があって、ということは劇中の会話はずっとロシア語だったのかしら?「スパシーバ」ってところどころで言っていたような気もしますが、記憶が曖昧。
IMDbによると撮影はトルコのアンタルヤで行われたそうですが、トルコ全体で3割近くを占めるというロシア、ウクライナからの観光客に特に人気なのがアンタルヤだとか。
トルコ、ロシア・ウクライナ仲介 存在感誇示の思惑(日本経済新聞、2022年3月10日)
手持ちカメラで画面が揺れるため短編とは言え見ていて疲れましたが、ウクライナの映画を次に見ることができるのはいつだろう、とも思いました。
『二度と一緒にさまよわない』
We'll Never Get Lost Together Again(My bol’she nikogda ne zabludimsia vmeste)
2020年/トルコ・ロシア・ウクライナ
監督:Eugene KOSHIN
予告編はこちら
『Out of TOKYO 202x』は、コロナ禍で延期になった東京五輪開幕の日に、それぞれに未来からやってきたという男女が東京のまちで出会うという日本の短編映画です。わたし自身は緊急事態宣言下での五輪開催には否定的な考えを持っていたため、当時の東京や会場周辺の空気感(それは映画として切り取られたものですが)を、やや複雑な気持ちで眺めました。
『Out of TOKYO 202x』
2022年/日本
監督:幾世明訓
予告編はこちら
監督のメッセージ動画はこちら
『凪』は、香港の女性と日本の男性が台湾の高雄で出会い、恋人同士として過ごしているのですが、ある理由から女性が香港に戻らざるをえなくなり、2人の関係は終わりを迎えるというお話です。高雄で起きた美麗島事件(1979年に起きた言論弾圧事件、その後、台湾の民主化運動につながった)から、この間の香港の民主化デモへのつながりもあって、3つの短編野中では作り手の意図が最も明確にわかる(気がしました)。恋人たちの別れで終わるけれど、悲しく暗いだけのストーリーではない。
ただ、この恋人同士の男のほう(日本から台湾に来て暮らしている男)の設定が、どうしてもダメだった。居酒屋(高雄にある、日本風居酒屋)でアルバイトをする自分の恋人が男性客からセクハラされたのを目撃し、その場では何もしないくせに、後から恋人に八つ当たりするという…。信じられん。彼のやっていることもハラスメントです。
香港に戻る恋人にあてた手紙もなぁ…デモに参加して逮捕される経験なんてないくせに、どこから目線で「人生」を説くのか!と憤ってしまった。
この2人の会話はずっと日本語で交わされるのですが、女性のほうがだいぶ聞き取りづらかった。むしろ字幕で見る人のほうが違和感ないかもしれません。2021年の高雄映画祭(高雄電影節)でワールドプレミアだったようです。
『凪』
Plain Sailing
2021年/台湾・香港
監督:Sasha CHUK(祝紫嫣)
予告編はこちら
高雄電影節での紹介ページ(英語)はこちら
こうやって振り返ると、3本とも、特別な状況下で出会う男女の物語ですね。